
私のチームは、ママリに日々投稿される膨大な数のQ&Aの中から、データに基づき、多くの人にとって役立ちそうなものを、通知やトップページに表示させるコンテンツとして選ぶ業務をしています。
今回はママリで実施した母の日の取り組みをご紹介します。
毎年5月になると街でもネットでも母の日の訴求が増えますよね。
母の日は世の中のママたちにとってうれしい日、今までなんとなくそう思っていた私ですが、企画のための調査がきっかけで、必ずしもそうではないということに気づきました。
乳幼児を育てているママたちは、母の日に対してどんな感情を持っていると思いますか?
ママリの投稿を分析してわかったのは
「義母と実母にプレゼントを贈らなきゃ」
「私だって母なのに」
「ありがとうって言われたい」
という、うれしさだけではない複雑な感情でした。
ママリのサービスについて
ママリは、子育て中、妊娠中、妊活中の女性のためのQ&Aアプリです。
「0歳児の夜泣き対策はどうしていましたか?」などの疑問や悩みを投稿すると同じような悩みを抱え乗り越えてきたユーザーたちが答えてくれます。
子育て中のユーザーの中では特に0〜2歳の子を持つ女性が多く、乳幼児を育てているママたちの悩みや関心ごとをキャッチしやすいサービスといえます。
乳幼児ママは母の日から取り残されている?
子育て中のユーザーが多いママリなので、今年も母の日に何か企画をしようと思い、ママリのユーザーが母の日に対してどんな感情や課題を持っているか調べてみることにしました。*1
ママリのメイン機能はQ&Aですが、Twitterのように自分の気持ちや日々のできごとをただつぶやける「雑談・つぶやき」というカテゴリーがあります。
その雑談・つぶやきカテゴリーに直近1年で投稿された「母の日」という言葉を含む投稿を抽出し、テキスト分析にかけました。
すると、予想に反し、ポジティブな内容よりネガティブなものの方が多く、さらに「怒り」の感情が最も高いという結果になりました。
また、全ての投稿の中でメインになるメッセージとして多かったのは
・義母と実母にプレゼント贈らなきゃ
・私だって母なのに
・ありがとうって言われたい
といったものでした。



この結果からは、まだ子供が小さくて母の日に「ありがとう」と言ってもらえない乳幼児のママたちにとって、母の日は自分や夫の母親にプレゼントを贈るという労力が必要になるだけで、同じく「母」である自分には感謝の言葉もない場合が多く、やるせない気持ちになる…ということがままある日だということがわかります。
(もちろん個人差がありますが。)
ハードな乳幼児育児を毎日がんばっているママたちの「私も母の日にありがとうと言われたい」という潜在的なニーズに気づいたとき、せめてママリだけでもママたちに「おつかれさま」と言ってあげたいと強く思いました。
ママリだけでも「おつかれさま」と言ってあげたい!
「母の日に小さい子がいるママたちを労いたい!」と社内のみんなに話すと、アイディアをくれたり、クリエイティブを作ってくれたり、チームが違ってもたくさんの人が協力してくれました。
そして完成した母の日の企画がこちらです。
子育て中のユーザーが母の日にママリのアプリを開くと「ママリからおてがみが届きました」というメッセージが出てきます。

「てがみを読む」をタップするとママリからの手紙が表示されます。

母の日当日、ドキドキしながらママリからの手紙を開くとコメント数がすごい勢いで増えていきました。
「私、頑張った!」
この母の日の投稿には通常の公式からの投稿*2 と比べ7倍のコメントがつきました。
さらに、お互いのコメントに共感する「いいね」の総数は通常の24倍、投稿の「お気に入り」は通常の9倍となり、ユーザーにとっても特別な企画になったことが数字に現れる結果となりました。
集まったコメントの多くは、「私は頑張っている」と自己肯定するようなものでした。




今回の企画で私たちが望んでいた「私は頑張った、自分で自分を褒めよう」「皆さんおつかれさまです」というコメントに加え、「お母さんにしてくれてありがとう」という子供や家族への感謝の言葉が多く投稿されました。
ママリのブランドミッション「ママの一歩を支える」の実現
ママリには「ママの一歩を支える」というブランドミッションがあります。
今つらい人は、まず自分の心が満たされないと次の一歩を踏み出しにくいですよね。
今回は「乳幼児のママたちは母の日から取り残されている」という潜在的な課題を表面化させ、母の日の企画を通じてアプローチすることで、ママたちの自己肯定感をサポートしつつ、明日頑張る気持ちへつなげられたのではないかなと思っています。
今後もママリでは、ママたちの声が集まるコミュニティであることを活かして課題を見つけ、サポートしていきたいと考えています。