コネヒトのタレ

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オンラインユーザーの声からリアルな「モノ」をつくる方法~ママリオリジナルマザーズリュック誕生秘話~

 はじめまして!ママ向けQ&Aアプリ「ママリ」を運営するコネヒト株式会社の門倉です。
 普段はカスタマーサクセスを担当していますが、コネヒトの公式プロジェクト(部署を横断して取り組む期間限定の社内組織)のひとつである、「ママリマガジンプロジェクト」のプロジェクトマネージャーを兼任しております。
 今回は、ママリマガジンプロジェクトで取り組んだ「ママリユーザーの声の集め方・活かし方」をご紹介します。

ママリマガジンとは?

 そもそも、「ママリマガジン」とはなんぞや?というお話からできればと思います。ママリマガジンとは、2019年5月13日に宝島社から発行されたママリ初の公式ムック本です。特製アイテムとして、ママリユーザーの声を凝縮した「ママリオリジナルマザーズリュック」が付いてきます。

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 マザーズリュックを制作するために集めた声は、総件数16,996件!どのようにユーザーの声を集めて、その集めた声をどのように制作に活かしたのかを次項からご紹介していきます。

ユーザーの声の集め方・活かし方

 ママリには普段からママの様々な悩みが集まってきます。
 これまでのママリは、ユーザーたちの悩みをオンライン上で共有・共感することはとても得意でしたが、その悩みを具体的な手段で解決することには踏み込めていませんでした。
 今回のプロジェクトで、ユーザーから声を集めてリアルな「モノ」を作ることがママリにとってもママリユーザーにとっても新しい一歩になると思い、リュックの制作を進めていきました。
 しかし、前述のとおりママリはオンラインで声を集めるのは得意ですが、その声を何かモノづくりで「活かす」ことは初めての試みであり、未知の領域です。
 そのためリュックの完成まで色々と試行錯誤をすることとなりましたが、結果としてムック本はAmazonランキングでも、楽天ブックスランキングでもカテゴリ1位を獲得することができました!
 今回、ユーザーの声を集めるにあたり、オンラインとオフライン2つのアプローチを組み合わせました。それぞれ、順を追ってご説明します。

オンライン

 まず、たくさんの意見を集めるためにアプリ「ママリ」とInstagramのママリ公式アカウント(@mamari_official)を利用してアンケートをとりました。
 アンケートでは、バッグのベースとなる「形」と「色」について選択肢から選んでいただき、形や色以外にも制作への意見や要望があればコメントを書いてもらうようにしました。

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アプリでとったアンケートの一例
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アプリ上であがった要望の一例

オフライン

 次にオフラインでは、ママリユーザーから5名の方をユーザーの代表として選出して、リュック制作に関する定例mtgに参加していただきました。

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 アプリでたくさん集めることのできたユーザーの要望を最大限活かしていきたいと思いつつも、今度はどう要望を取捨選択するか、という難問がプロジェクトチームに降りかかります。できる限りユーザー主導の選択をしたいと考えた結果、ユーザーからなる制作チームを結成し、オフラインmtgを開催することとなりました。
 オフラインmtgの目的は、「オンラインで集めたママリユーザーのリアルな声を適切に取捨選択し、理想のマザーズバッグを作ること」でしたので、メンバー選出はかなりこだわって行いました。

メンバー選出でこだわったポイント

  • ユーザー代表として参加してもらうので、普段からママリに慣れ親しんでいるかを確認するために、アプリIDから利用頻度をチェック
  • たくさんの取捨選択が発生するプロジェクトのため、「プロジェクトへの意気込み」を記入必須とすることで、本プロジェクトへの思いを確認するとともに、自分なりの考えを持っているかを確認
  • お子さんの年齢、人数、現在働いているか等によって悩み=バッグに欲しい機能も異なってくるので、育児環境の異なるメンバーを選出

 なお、メンバー募集はアプリ内で行い、上記内容を含む募集要項をアンケート形式で制作し、回答をしていただきました。
 また、mtg運営の際には、メンバー全員が意見出ししやすい環境づくりにもこだわりました。

mtg運営でこだわったポイント

  • mtgの冒頭で毎回アイスブレイクの時間を設ける

お互いのひととなりがわからない状態でmtgを進めてしまうと発言しづらいと考え、1時間のmtgのうち約10分は毎回アイスブレイクの時間としていました。
アイスブレイクをすることで話し合いの時間が物理的に短くはなってしまいますが、テーマを工夫することで(例えば「最近の育児の悩み」等、気軽に話せるかつ共感をもてるものにする)、互いのひととなりがわかり、発言しやすい空気が生まれ、結果的に多くの意見を引き出すことができました。

  • メンバーの熱量をキープし続ける工夫

mtg以外でもメンバー同士でコミュニケーションをとれるように、SNSを活用しました。
メンバー全員が参加するチャットを作成し、その中で毎週プロジェクトマネージャーから制作の進行状況を報告したり、プロジェクトを進めるうえでの困りごとを相談したりしていました。
定期的に連絡を取り合うこと、また、相談を持ちかけることで、mtg外の時間でも「こんな案を思いつきました!」といったコミュニケーションが生まれ、気軽にやりとりのできる雰囲気になりました。結果として、次のmtgまで期間が開いた場合でも、メンバーの熱量を下げずに取り組み続けることができました。

このような工夫をした結果、次のような効果が生まれました。

オフラインmtgによって生まれた効果
  • 普段からママリに慣れ親しんでいるメンバーを集めた結果、アプリ「ママリ」でのアンケート結果にも自主的に目を通し、mtg時に意見を持ち寄ってくれた
  • 自分なりの考え・思いを持って参加してくれるメンバーを集めた結果、取捨選択を迫られる場面では「譲れないポイントとその理由」を明確に伝えてくれた
  • 育児環境の異なるメンバーを集めた結果、「双子だと、哺乳瓶も着替えも常に二人分必要だから、容量は大きければ大きい方が嬉しい」や、「歩き始めの子だと、歩きたがったり抱っこされたがったりを繰り返すので、抱っこ紐を収納できると嬉しい」等、異なる立場から意見をあげてくれた
  • 実際にサンプルリュックを手に取りながらmtgができるので、議題にあがった要望が実現可能かどうかを検討しやすかった

ユーザーの声の反映

 ユーザーの声からリュックに反映された機能を紹介していきます。

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ユーザーの声を反映させたマザーズリュック

「リュックの肩紐にスマホSuica入れられると嬉しい」
⇨肩紐に取り付け可能な、スマートフォンや定期券を収納できるミニポーチを取り付けました!
「リュックそのものが軽量だとなお良いかな!」
⇨リュックの重さは約360g。300mlのペットボトルとほぼ同じ重さです!
「オシャレブランドとのコラボとかも嬉しいです。」
ナチュラルテイストで人気のブランド、「Nîmes」とコラボしました!
「靴を脱がせて入れられる&汚れ物等リュック下にチャックがあると、いいかな。」
⇨リュックは上下に分かれた二重構造で、下の収納には靴や汚れ物のほか、抱っこ紐も収納可能としました!

 多くの取捨選択がありましたが、オフラインmtgで毎回丁寧に議論を重ねて意見を反映していき、結果的にプロジェクトメンバー一同満足のいくリュックができました!

発売後の反響について

 まず、実際に購入された方の口コミからご紹介します。

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アプリ「ママリ」内の口コミ

 他にもInstagramTwitter等のSNSでも嬉しい口コミがたくさん届いています。
 また、口コミ以外でも、嬉しい結果がありました。
 なんと、Amazonカテゴリ別ランキング、楽天ブックスカテゴリ別ランキング、宝島社ECサイト総合ランキングでそれぞれ1位を獲得しました!

 購入された方がSNS上で口コミを投稿してくれて、それを見たフォロワーが購入し、使ってみた口コミを投稿してくれる…というサイクルができあがっているようで、発売から2週間経った今も安定して売れています。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。 
 このように、ママリマガジンはオンラインとオフラインを組み合わせることでベストな声の収集・活用ができたと思います。しかし、ある程度プロジェクトが落ち着いてきて、「まだまだ工夫の余地があったのでは?」と思うところもあります。たとえば、今回はオフラインmtgに注力しましたが、アプリ「ママリ」上のアンケートの仕方を工夫する等、「オンライン」でももっと盛り上げる工夫はできたはず。発売後だけでなく、制作時からオンラインを盛り上げることで、また違った効果を生み出す事ができたのではないかな、と思います。

 今回、ママリにとってもママリユーザーにとっても初の試みだった、ユーザーから声を集めてリアルな「モノ」を作ること。ママリマガジンの事例を通して、読んでくださった方にとって何かしらのヒントになれば幸いです。

最後に

 これを読んでママリマガジンが気になった方!ママリマガジンは全国の書店のほか、以下ECサイトでも絶賛発売中です。

■「ママリマガジン」購入ページ
アマゾンはこちら https://www.amazon.co.jp/dp/4800294193
宝島社公式サイトはこちら https://tkj.jp/book/?cd=TD294197

 付属のリュックはもちろん、マガジン誌面も表紙を飾ってくださった小倉優子さんのインタビューや、アプリ「ママリ」内でよく質問されている悩みを編集部がピックアップした特集など、楽しめる内容となっています。売り切れ店も出ているようですので、気になる方はどうぞお早めに〜!