コネヒトのタレ

コネヒト株式会社のbizブログ。お役立ち情報が読者にとって『秘伝のタレ』になるように。

データドリブンな意思決定をするために 〜準備編〜

はじめに

本記事はコネヒト Advent Calendar 2018の5日目のエントリーです!

qiita.com


こんにちは。ママリというアプリを見ています、ディレクターの齋藤です。最近ハマってる事は、部屋の掃除と整理整頓です。

先日(といっても結構前ですが)、Redash meetup にて LT 登壇の機会をいただきました。

Redash meetup

その時の資料を少しだけ思い返しながら、3回に分けて データドリブンな意思決定をするために気をつけていること を書きます。

speakerdeck.com


1回目の今回は 準備編 です。

まとめ 〜忙しいあなたへ〜

  • ディレクターとは、導く人。
  • 目的を持ってデータを見る習慣をつけること。さもなくば、沼に落ちます。
  • データは線であり、面です。点を追うべからず。

そもそも ディレクター は何をする人?

ディレクターとは導く人

そもそも ディレクター とは何をする人なのでしょうか?

業種などによって求められることは異なると思いますので、ここでのディレクターは受託業務ではなく、自社のアプリやwebサービスを日々改善する ディレクター に限りたいと思います。

そして本記事では、ディレクターとは「導く人」だと定義します。
導く人 とは アプリや web の成長を担う人 です。
もう少し噛み砕くと、 「ユーザー課題を解決する市場ニーズを見つけて、解決手段を実現する人」 と言えると思います。

ちなみに、会社によっては プロデューサー だったり プロダクトオーナー だったりというステップがあるかと重いますが、今回はそれらも総称して ディレクター と呼ぶことにします。(役割は多少異なると思いますが、本記事を前に進めるにあたって便宜上定義させていただきます)

ディレクターの具体的な業務

日々の業務を細かく紐解くのは難しいですが、だいたいこのようなことを行っています。

  • 市場のニーズやその変化を嗅ぎ取る(市場調査)
  • ユーザーや組織の課題を解決するプランを立案する(企画)
  • 具体的な要件とスケジュールを関係者と握る(プロセス管理)
  • 収益やKPIなどを定点観測する(結果管理)

これら業務には、全てにデータを活用する場面があります。

  • 市場調査は、言うまでもなく定量化が必要です。
  • 企画を立案する際は、どこに課題があるのか、その施策はどの程度の効果がありそうかなどの判断を定量的に計測する必要があります。
  • 施策がもたらす効果を予め算出しておくことで、関係者との目線や温度感を合わせる効果があります。
  • 施策を行い、ユーザーから結果のフィードバックを得るには、ユーザーからの声と同じかそれ以上に「データ」が重要です。

今回はそのデータとどのように付き合っていくか、心得を書き記したいと思います。

データに向き合う上で大事な心構え

昨今、様々な意思決定のプロセスに「データ」が活用されます。
ディレクター業務においてもそれは同じです。

しかし、データは万能薬ではありません。
正しく使えなければミスリードする可能性もありますし、意思決定を行う以前にデータの沼に沈んでしまうこともありえます。

もちろん、正しく使えば多くの気づきを与えてくれます。

データと向き合うにあたって、大事な心構えは以下だと考えています。

  1. 見るデータをとにかく絞ること
  2. 接触頻度を高めること
  3. ときどき視点を上げること

これから上記3点を説明します。

1. 見るデータをとにかく絞ること

選択と集中

データは点ではなく、線でつながっています。
時系列、ユーザーの行動、外部要因など、さまざまな角度で見ても必ず繋がりがあります。
データは足跡のようなものであり、私たちはその足跡をまとめたり切り出したりして、過去をたどって未来を予測します。
私たちディレクターは、ユーザーや市場の変化をデータを使って探しに行くことが多くあります。

ですが、いきなり線でつなげようとする人はおそらくめちゃくちゃ混乱します。
見れば見るほどどの点も繋がっているように見えるし、どの点も独立しているように見えるのです。

ここでは、見る数字を3つに絞って見ましょう。これを 「点」 とします。
できるだけ大きな数字、サービス上大事だと思われる数字を選ぶのがいいと思います。
大きな数字を選ぶ理由は、変化も大きいからです。

例えばママリで例えると、これらの数字としましょう。

  • 日毎のアプリ起動者数
  • 日毎の質問投稿数
  • 日毎の回答率

まずはこの3つを必ずみると決めて追いましょう。
できれば、KPIツリーを作って考えると整理されます。

2. 接触頻度を高めること

追う点を決めたら、「線」を探します。
線を探すためにまず必要なことは、とにかく接触頻度を高めることです。

決めた数字は、必ず毎日見ましょう。
できれば朝、通勤中に簡単に携帯で見れるといいですね。

私は Slack に通知を飛ばして見るようにしていますが、無理のない範囲で毎日見るようにしましょう。

毎日見ることで、だんだん数字の変化が身体に染み付いてきます。
線 といってもたくさんあるのですが、一番簡単な 「線」 は時系列です。
ひとつの数字を追うだけで必ず線になっていく。この感覚は非常に大事です。

先の例で言えば、「アプリの起動者数は週末減る」「質問する人はそれほど減らない」「回答率は午後上がる」などといった傾向がわかったとします。
そうすると(とても当たり前のことのように思えますが)来週もそうなるだろう と予測できます。
数字が頭に入り、ちょっと数字が減ったり増えたりすると条件反射で気づけるようになるのです。

また、次第に時系列以外の 「線」 も気になってきます。
傾向がわかることで、ちょっと先の未来が予測できます。
これができれば大きな一歩を踏み出したも同然。
先述の通り、全てのデータは線や面で繋がっているため、次の点を予測することができればそれがそのまま仮説になったり、そこから課題を導き出せたりします。

3. ときどき視点を上げること

そうやってまずは自社のサービスの数字に慣れてきたら、自然と見える世界が変わってきます。

「見る数字を減らして、接触頻度を高める」ことによって、抽象と具体の行き来がよりスムーズにできるようになってきます。
この抽象と具体の距離を広げていくことで見える世界も変わってきます。
ただし、自然に視界が拓けることは多くないと思います。

学びがなくなってきたなと思ったら、視点を上げてみることをおすすめします。
もうひとつ上位概念の数字を見るようにするといいかもしれません。

このあたりは次回以降に詳しく書きたいと思います。

まとめ

長くなってしまいましたが、データを使っているつもりでデータに振り回されているだけ ということも多く見受けられます。
ディレクター は サービスを成長させるために必要な存在であるべきです。

いきなり森を見ようとせず、適切なサイズに絞ること。
適切なサイズのデータとの接触頻度を高めること。
ときどき視点を上げること。

これをまずは実践し、データに振り回されることなく効率よく付き合っていきましょう。

次回予告(仮)

1つの記事にまとまらなかったので、次回以降に持ち越したいと思います。

〜予告編(仮)〜

  • データの点を線にする方法と目線を上げるコツ
  • データを活用する2つの目的と対処法